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2009年1月27日 (火)

ハダカデバネズミ

身も蓋もないとはまさにこのことじゃん。いきなり筆者の前書きが『ハダカデバネズミ。この身も蓋もない名前にあなたは興味を引かれ、この本を手に取った。そのとおり、彼らはハダカである。彼らの歯はデッパっている。そして、彼らはネズミである。たいへんインパクトのある名前である。こんなひどい名前の動物はそうそういるまい。気の毒なくらいだ。』さらに『へんな姿をしているだけではなく、へんな社会形態で暮らし、へんな鳴き声を出す。まったく、どうして世界にはこんな動物がいるのだろう。』

P1120524 

研究者に端から、こんなことをいわれるハダカテバネズミくんは、本当に気の毒です。しかし、こんなデバちゃんですが、昨今、ひそかに人気が上昇中なのだという。なぁんと上野動物園では入場チケットに写真が使われているらしい。

ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの) Book ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)

著者:吉田 重人,岡ノ谷 一夫
販売元:岩波書店
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「動画」サイトだってあるのですから。「東京ズーネット」や海外のサイト「Oregon Zoo」、「San Diego Zoo」など世界の動物園でも密やかに人気者なのであります。そのほか、著者の所属する「生物言語研究チーム」「岩波書店の本書紹介ページ」などなどでデバくんにお目にかかれます。

デバちゃんは、東アフリカのケニヤあたりにいる動物で、地下にトンネルを掘って集団(平均80匹、最大で3000)で生活してる。ネズミなのにハチやアリのように女王様がいて、この女王様が集団内の繁殖を一手に引き受けている。繁殖用のオス・デバくんは、1~3(王様と呼ばれている)、これ以外は主にワーカー(働きデバ)やソルジャー(兵隊デバ)として生きるのであります。役割分担のある社会で生活するデバくんたちは、哺乳類としては珍しい真社会性動物なのであります。

ヒトの社会にも役割分担があって時には女王様も存在するが、仔を生むのは女王様に限定されていないので、真社会性にはあてはまらないそうだ。(こういう説明も、適宜に挿入されるので、読んでいて、くすすと飽きない巧い文章なのだ。だいたいテバを研究しようとするヒトだもんね、つまらぬはずがない。)

定期的に女王様の巡回があり、さぼっていたりするとどやされる。どやされたデバは、「服従」のポーズをとり、反省の意を表すのです。そうして、もっと凄いのは、なぁんと17種類もの鳴き声(デバ語)を駆使し、状況に応じて使い分け、視覚が役に立たない真っ暗な地中でコミュニケーションをとっているの手あります。

でかいデバは、体の体性感覚野というものの31%も占めていて、これはまるで「歯」で世界を見ているのと同じことらしい。

デバ研究に一生をかけるデバ研たち。こんな研究者がいる日本は、明るい日本やで。

P1120525

まるで、明石家さんまやでぇ。

最近のベストに近い「オモシロ本」です。ぜひ一家に一冊常備して、哀しいとき、寂しいときに読みましょう。

案外、哀愁のJAPANの救世主はデバくんかもしれない。がんばれデバ。

Photo_2

合掌。

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