2010年12月28日 (火)

猛き海狼 チャールズ・マケイン

原題は「An Honorable German」。こちらのほうが、小説にぴったり。第二次世界大戦のドイツのUボートの艦長を主人公にした冒険小説。通常は、英米人が主人公のこのジャンルに新人が新しい視点で切り込んだ異色の海洋冒険小説。買おうか買うまいか二週間悩んで、ちょうど読む本が切れたので購入したら、なぁんと読ませてくれるではありませんか。原題の通り、きっちりと高貴な生き方を貫いてくれる主人公。軍隊内の親ナチスの人々との葛藤も見もの。

猛き海狼〈上〉 (新潮文庫) Book 猛き海狼〈上〉 (新潮文庫)

著者:チャールズ マケイン
販売元:新潮社
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帰郷する車内や、なんだょみんな休んでいるのに俺だけ仕事かょの呟きサラリーマンの通勤に最適な小説。

猛き海狼〈下〉 (新潮文庫) Book 猛き海狼〈下〉 (新潮文庫)

著者:チャールズ マケイン
販売元:新潮社
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いいぞ、マクシミリアン・ブレーケンドルフ大尉。婚約者のマレートも泣かせてくれる。彼を慕う部下もきっちりと高貴だぞ。

お金ばかりの優柔不断なJAPANに「An Honorable 」は、キーワードかもしんないね。

53歳にして作家デビューのチャールズ・マケインにも乾杯だ。訳者が、ヘミングウェイ専門の高見浩だから、文章も的確で歯切れがいいのだ。

合掌。

さぁてと、正月に読む本を探さねばならない。

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2010年12月23日 (木)

茨木のり子の家 詩 茨木のり子

2006年に亡くなられた茨木のり子さんの本がこのところたくさん出版されている。この本もその一冊。

茨木 のり子の家 Book 茨木 のり子の家

著者:茨木 のり子
販売元:平凡社
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詩人は、家も家計簿も煙草を吸う姿も眼鏡も赤鉛筆もよりかかる椅子も詩でありました。

ガスパーチョの手書きの料理のレシピなんてこれだけで詩。

自筆の死亡通知の原稿と完成した死亡通知はもう完璧な詩。

合掌。

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2010年11月24日 (水)

輝く夜 百田尚樹

モノガタリの天才・百田尚樹の新刊。もともとは、処女作「永遠の0」に続く2作目の本として大田出版から「聖夜の贈り物」という書名で刊行されたものが、改題し講談社文庫になりました。

輝く夜 (講談社文庫) Book 輝く夜 (講談社文庫)

著者:百田 尚樹
販売元:講談社
発売日:2010/11/12
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クリスマス・イブに5人の女性に起きた5つの奇蹟のモノガタリ。作者いわく「日頃はつらい思いをしている女の子にも夢みたいな報われる日があってもええやないか、っていう話なんや。絶対に面白い話になるよ!」。希望を語る小説家の傑作。

つぎは、じじいやおばぁたちに起こる奇蹟をモノガタリにしてもらいたいね。

電車の中ではながれる涙を隠すのに大変な通勤感涙の感動本です。イブの夜までとっておいて読んだほうがいいかもしれないぞ。

こういう本を読むと、心中や体中の細胞たちが酒を欲するのであります。さぁて今日も、徳兵衛に行くことにしよう。

合掌。

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2010年11月23日 (火)

アレの名前大百科 みうらじゅん

「とんまつりJAPAN」でひっくりかえってしまったみうらじゅんさんの新刊「アレの名前大百科」。「とんまつりJAPAN」は、日本の奇祭をめぐった本で、ワタクシはそれぞれの開催日を手帳にマークして訪ねようと思っていましたが、行かずじまい。

とんまつりJAPAN 日本全国とんまな祭りガイド (集英社文庫) Book とんまつりJAPAN 日本全国とんまな祭りガイド (集英社文庫)

著者:みうら じゅん
販売元:集英社
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「アレの名前大百科」は、よく知っているのだが、きちんと名前を言えないアレたちを集めたもの。高齢化で、ほとんど「アレだよ状態」のおっさんはもちもん、若い人もぜひ読んでもらいたい、アレ本であります。

アレの名前大百科 Book アレの名前大百科

著者:みうら じゅん
販売元:PHP研究所
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たとえば

「食パンの袋の口をとめる凱旋門みたいなアレ」「ミカンの皮についている白いアレ」「視力検査で出てくるC型のアレ」「カレーのルゥを入れるアレ」・・・などなどアレが満載。

アレをきちんと覚えて、居酒屋、例えば御茶ノ水「徳兵衛」のカウンターで、「ねぇ知っているアレ」とか話すと、焼酎2杯くらいの時間は持ちますね。しかし、おっさんは、すでにアレ状態がとても深化しているもんだから、アレのアレが出てこない。

悲しい哀しいアレ?

なのであります。

合掌。

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2010年11月20日 (土)

フランキー・マシーンの冬 ドン・ウィンズロウ

じんわりといいねぇ。人生の秋を迎えた足をあらったマフィアの殺し屋、餌屋のフランクは、62歳。サーフィンを趣味に地域に愛されている。

そんなフランクがマフィアから追われだした。

フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫) Book フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫)

著者:ドン・ウィンズロウ
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010/09/25
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フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫) Book フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)

著者:ドン・ウィンズロウ
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010/09/25
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熟年の親父たちに贈る、遊び心があり、伸びやかで完熟のクライム・ノベル。こういう小説を朝の通勤電車で読んでしまうと、一日ちょっと斜めに仕事をし、少しかしいだまま徳兵衛にでかけて、心を落ち着かせるしかないのであります。

フランクのモットーは「自分流に生きるのは骨が折れる。」。

一度だけの生なのだから、そう生きるしかないね。けっこうたいへんだね。

合掌。

ウインズロウは、昨年の『犬の力』に続くベスト小説。今後も、熟人向けの本をたくさんだしてくれるのだろうと思う。それのお供の熟酒をいまからストックしておこう。

小道具として使われている『フォーチュネイトサン』(幸運な息子)は、なあんとCCRの歌なんだよ。

クロニクル~グレイテスト・ヒッツ Music クロニクル~グレイテスト・ヒッツ

アーティスト:クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
販売元:ユニバーサル ミュージック クラシック
発売日:2008/06/25
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すでに、マイケル・マン監督で映画化がきまっているそうだ。主演は、もちろんのロバート・デ・ニーロ。きまりだ。

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2010年11月15日 (月)

悪の教典 貴志祐介

分厚い上下二巻読了。第一回山田風太郎賞を受賞したパワーあふれる実力本。

悪の教典 上 Book 悪の教典 上

著者:貴志 祐介
販売元:文藝春秋
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この本はあらすじを紹介しないほうがいい。興味のある人は、文藝春秋の「悪の教典」特設ホームページを見てください。「第一章全文ダウロード」のおまけつき。

電車のなかで眠らせてくれない「通勤快読」の一冊です。

悪の教典 下 Book 悪の教典 下

著者:貴志 祐介
販売元:文藝春秋
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いや、しかし、起こりそうなJAPAN。

合掌。

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2010年10月27日 (水)

単独行者 谷甲州

多分ワタクシの生涯ベストに入る本。ワタクシのベスト本、梁石日(ヤン・ソギル)の『血と骨』は、下半身の底から熱くなり辛い真っ赤な唐辛子をまぶしたホルモンをつまみに、ソジュをあおりたくなる本ですが、この『単独者行』は、読み続けるにほどに、頭と体中が不可思議に熱くなり、乾き続ける喉を潤すのに冷えたビールが何本も必要な本。

加藤文太郎は、新田次郎の小説『孤高の人』で知り、さらに谷甲州『白き嶺の男』でイメージがかたまり、二見書房から出ていた、加藤文太郎その人が書いた『単独行』を入手したりしていました。

ワタクシのウォーキングも独り。加藤文太郎が初期の歩行を行っているときのスタイルに似ているので、ますます気になる人でありました。

『単独行者』は、二段組502頁の大作。

しかし、このおっさん(享年31歳)、いやあんちゃんは、とても不可思議で素敵な人である。

興味のある人は、『孤高の人』、『白き嶺の男』、『単独行者』と順を追って、読んでみてください。

孤高の人 (上巻) (新潮文庫) Book 孤高の人 (上巻) (新潮文庫)

著者:新田 次郎
販売元:新潮社
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漫画版もあるのか!?

孤高の人 1 (ヤングジャンプコミックス) Book 孤高の人 1 (ヤングジャンプコミックス)

著者:坂本 眞一
販売元:集英社
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■『山歌集 加藤文太郎の歌』というのも発見してしまった。もちろん即時、ご注文。

この分では、映画化もすぐかもしれない。乗り遅れないうちに加藤文太郎したほうがいい。

単独行者(アラインゲンガー)新・加藤文太郎伝 Book 単独行者(アラインゲンガー)新・加藤文太郎伝

著者:谷 甲州
販売元:山と渓谷社
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ワタクシもアラインゲンガー=Alleingangerでありたい。

合掌。

彼の生まれ故郷の兵庫県浜坂には『加藤文太郎記念図書館』がある。一度訪ねなければいけない。歩いていけるだろうか。

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2010年10月22日 (金)

湖は飢えて煙る ブライアン・グルーリー

「湖は飢えて煙る」。原題は「Starvation Lake」。ハヤカワ・ミステリー2段組546頁の嬉しい大作。1998年冬、ミシガン州北部の田舎町スタヴェイン・レイク。凍てついた湖の湖岸にスノーボートが打ち上げられた。それは、10年前の冬、別の湖で事故死した伝説のアイスホッケーコーチが乗っていたものだった。

主人公の地方記者ガスが事件の調査に乗り出す。町に潜む闇、ガスが抱えるトラウマが交差するしみじみとした哀愁のミステリー。

湖は飢えて煙る』(ブライアン・グルーリー)

初秋のJAPANで読むには最適の本。

ウィスキーが欲しくなる。

合掌。

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2010年10月17日 (日)

ぼくを忘れたスパイ キース・トムソン

いいねぇ。これだから外国のモノガタリたちからは目を離せない。

アルツハイマーになってしまった老スパイと競馬で借金を重ねるダメ息子が主人公。二人が、謎の事件に巻き込まれてしまう。物忘れ、徘徊、奇行・・・のアルツ親父だが、危機が訪れると、スパイで鍛え上げた体にスイッチが入る。このタイミングが見もの。

親子二人に襲い掛かる追撃者たちを振り切りながら、格闘、銃撃戦、カーチェイスとどきどきのジェットコースター的冒険小説ミリテリー。上下巻あっというまに読んでしまったのであります。

ぼくを忘れたスパイ〈上〉 (新潮文庫) Book ぼくを忘れたスパイ〈上〉 (新潮文庫)

著者:キース トムスン
販売元:新潮社
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ぼくを忘れたスパイ〈下〉 (新潮文庫) Book ぼくを忘れたスパイ〈下〉 (新潮文庫)

著者:キース トムスン
販売元:新潮社
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2010年10月10日 (日)

永遠の0 百田尚樹

『ボックス』で痺れて、友人たちに勧めてから、ワタクシの百田尚樹放浪が始まった。ボクシングから、スズメバチ、美容整形、そして最近作の時代小説「影法師」とテーマは違っても、きっちりと美しく清々と生きることを教えてくれる。「永遠の0」は、零戦のパイロットを主人公とした彼の処女作。読めば判るので紹介はしない。

永遠の0 (講談社文庫) Book 永遠の0 (講談社文庫)

著者:百田 尚樹
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

これを読まずに死ぬのは寂しいぞ。

透明な気持ちを持てるように生きて行きたい。

合掌。

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